2017年04月14日

仙台市/「杜の都を『石炭の都』にするな」/反発強める住民/四国電力などの火力発電所計画  住民らは、石炭火力発電の煙突から排出するばい煙が地域の環境を汚染し、健康を害する恐れを心配している。連合通信


◆170415・仙台市/「杜の都を『石炭の都』にするな」/反発強める住民/四国電力などの火力発電所計画

「仙台に住む一介の主婦です。あなた様方(四国電力、住友商事)から『被災地のために何かの役に(立ちたい)』と話され、うれしく思いました。でも、説明を聞けば聞くほど心配が増えますし、ご自分たちの都合しか考えていないように思えます。本心で〃被災地のために〃とのお考えがあるのでしたら計画を撤回し、お帰り下さった方が被災地のためになると思います」
 仙台港に建設予定の石炭火力「仙台高松発電所」(仮称)について、4月2、3の両日に開かれた住民説明会。両社は環境影響調査(環境アセス)項目と事業内容に、住民の理解を求めたが、2会場で出された196件の意見は全て反対の立場。計画撤回を求めた主婦の発言に、参加者は立ち上がり拍手した。

●環境と健康が心配

 住民らは、石炭火力発電の煙突から排出するばい煙が地域の環境を汚染し、健康を害する恐れを心配している。
 四国電力と住友商事は、石炭をバイオマス(木材チップ)と混焼するので、地球を温暖化させる二酸化炭素も抑えられ、人体に影響のある硫黄酸化物や窒素酸化物、ばいじんなどの濃度も「できるだけ抑制できる」と説明する。
 しかし、全ては「抑制」であり、残った有害物質は大気に排出される。以前、塩釜港の近くに石炭を燃料とする東北電力の火力発電所があった。当時、ぜんそくとの関係を調べた医師はこう話す。
「石炭が天然ガス燃料に切り替わるにつれ、大気が徐々にクリーンになった。それ以降、私の頭では〃汚染物質は過去のもの〃になっていた。それなのに…」
 やっとクリーンになった地域になぜ四国の電力会社が「みちのく仙台で石炭火力事業」なのか。説明会場では住民の疑念や怒りの声が続くなか、四国電力は、電力の小売りが完全自由化され競争状態だと前置きした上で、「仙台港のインフラ整備」「送電容量が十分整備されている」「工業用水の確保」「首都圏に近い」などを理由に挙げた。
 これに対し、住民側からは「それは仙台港があなたたちの事業に合っているだけのこと」「住民の立場にはなっていない」「建設予定地から5キロ圏内には小学校、中学校、高校が15校あります。復興へのプレゼントに大気汚染を贈るのですか」「私たちの子どもの命に関わることです」などの発言が相次いだ。

●2万人署名を展開

 仙台港の近くに、国が指定する鳥獣個別保護区の蒲生干潟がある。四国電力は「建設予定地から約2・5キロメートル離れており、環境影響はない」としていたが、住民の度重なる質問や仙台市環境評価審査会での意見を踏まえ、「大気を含め調査する」と応じた。また、建設予定地から5キロ圏内にすっぽり入る多賀城市と七ヶ浜町にも、環境調査ポイントを設けることを「前向きに追加したい」と答えざるを得なかった。
 仙台港には、この「高松発電所」とは別に、関西電力と伊藤忠の両子会社が出資する石炭火力発電所「仙台パワーステーション」が今年10月の稼動をめざし、6月に試運転を始める予定。「仙台パワー」の発電出力は高松発電所と同じ11万2千キロワットだが、住民が求めている環境アセスさえ無視して建設された経緯がある。
「杜(もり)の都を石炭の都にするな」と、2万人署名を進めている仙台港の石炭火力発電所問題を考える会は、「利益は関西と四国、電気は首都圏、リスクは仙台という構図は許せない」と訴えている。(川島左右喜)

「連合通信・隔日版」

posted by さとやん at 20:47| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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